2020-03-16 / 最終更新日時 : 2020-03-16 H.R.Co-op H.R.Co-op Blogs

偽物「キャリアコンサルタント」に注意！

　前回のブログでは、Ｈ．Ｒ．Ｃｏ－ｏｐから「どのような『相談・情報提供・アドバイス』が皆さんのお手元に届くのか？」というところで終わりました。そこをお伝えするために、キャリアコンサルタントについて少し理解を深めていただく意味も含めて、「偽物『キャリアコンサルタント』に注意！」と題して、少しお話させていただこうと思います。

　まず、「キャリアコンサルタント（通称・キャリコン）」に似た職業に、転職エージェントがあります。彼らは「キャリアカウンセラー」と名乗っていたり、場合によっては「キャリアコンサルタント」と堂々と名乗っている人もいます。しかし、この転職エージェントに「キャリアなんちゃら」の無資格者が本当にすごく多いです。職業能力開発促進法に、

（名称の使用制限）
第三十条の二十八　キャリアコンサルタントでない者は、キャリアコンサルタント又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。

　とあり、厚生労働省ホームページには「職業能力開発促進法に規定されたキャリアコンサルタントでない方は、『キャリアコンサルタント』又はこれに紛らわしい名称を用いることができません。これに違反した者は、30万円以下の罰金に処せられます。」とあります。つまり、これらは法律違反です。しかし、彼らはハローワークでも確認できます。求人票に「キャリアコンサルタント募集、無資格・未経験可」と書かれているものを、まず毎日、いくつも見つけることができます。このような転職エージェントは、あなたのキャリアを支えたり描いたりするために必要な知識を持っていないので、止めておきましょう。

　これら無資格キャリアコンサルタントの転職エージェントは「業界○○年、経験豊富！新人もしっかり教育していますのでご安心を！」などと謳っています。しかしこの経験、まったくあなたのためにはなりません。転職エージェントは、個人から収入を得ているのではなく、紹介した企業から人を紹介した分だけ収入が得られるビジネスモデルです。つまり、彼らがいう経験とは「人材サービスで企業に貢献した経験」です。いい会社だろうが、ブラック企業だろうが、関係ありません。無資格キャリアコンサルタントの転職エージェントには、あなたがその後どのような環境で働くようになるか、関係ないのです。転職エージェントや就職相談に悪印象を持って帰られる方が多いのもそのためです。

　転職エージェントでも、新卒の就職活動でも、まず目の前の「キャリアなんちゃら」が国家資格キャリアコンサルタントを持っているのか、確認してください。

　また、国家資格キャリアコンサルタントであっても、本当にあなたのための相談・情報提供・アドバイスをしてくれているか、しっかり見定めてほしいのです。

　たとえば、キャリアコンサルタントの働き方のひとつに「企業内キャリアコンサルタント」という業態があります。皆さんの会社でも導入しているところがあるかもしれません。このビジネスモデルは、個人から収入を得ているのではなく、導入した企業から収入が得られるビジネスモデルです。また、企業内キャリアコンサルタントを導入した企業は、助成金という返さなくていいお金をもらうことができます。この業態が「セルフ・キャリアドック」導入を厚生労働省が推し進めたこともあり、かなり拡がっています。しかしこれがまた、あなたのキャリアを支えたり描いたりするために必要な相談・情報提供・アドバイスに、必ずしもなっていないという現実があります。

　たとえば今では、企業内キャリアコンサルタントのデジタルサービスが生まれています。このサービスは「キャリアコンサルティングでは転職先の斡旋や紹介は行いません。」という点は当たり前だとしても、キャリアコンサルティングで退職者が増えてしまうのではないか、という顧客企業の質問に対し、「キャリアコンサルタントは、転職を前提に相談を受けることはありません。社外の第三者だからこそなんでも話せ、メンタルヘルスの改善、御社への定着率の向上が見込まれます。」と答えています。

　これ、本当にあなたのための相談・情報提供・アドバイスになりますか？

　仕事や仕事に関係ある悩みを相談しに行ったのに、このサービスの企業内キャリアコンサルタントは、あなたがその会社で働き続けるように相談・情報提供・アドバイスを行うと言っているのです。

　仕事や働く場所を選ぶのは、職業選択の自由を持つ一人ひとりです。また、セルフ・キャリアドッグは、従業員のキャリア形成支援に取り組みたい企業に導入され働きかけるものです。国家資格キャリアコンサルタントを管理するキャリアコンサルティング協議会の倫理綱領には、

第９条　キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを実施するにあたり、相談者の自己決定権を尊重しなければならない。
第11条-2　キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングの契約関係にある組織等と相談者との間に利益が相反するおそれがある場合には、事実関係を明らかにした上で、相談者の了解のもとの遂行に努めなければならない。

　とあります。「相談者」とは労働者・個人のことです。つまり、あなたをその企業に働かせる前提で関わるキャリアコンサルタントは、倫理綱領違反の「偽物」キャリアコンサルタントです。決して、あなたをその企業に働かせる前提で、キャリアコンサルタントが関わってはいけないのです。ぜひ一般の方にも、「偽物」キャリアコンサルタントに引っかからないために、キャリアコンサルティング協議会の倫理綱領をご一読、ご理解いただいていてもいいと思います。

　Ｈ．Ｒ．Ｃｏ－ｏｐは「一人ひとりを確かに支えるために、企業・学校・組織・団体から独立性を確立した場所でありながら、一人ひとりが必要としているさまざまな人・場所につながることを両立した、創造型キャリアコンサルティング・教育キャリアデザイン事業です。」と、弊社ホームページ「企業理念・存在意義・ビジョン」に書かせていただきました。それはつまり、

・あなたの長所・強み・魅力を引き出し、あなたが望む人生を歩んでいけるように、仕事やあなたに関係あることなどについて、相談・情報提供・アドバイスに取り組みます。

・あなたのキャリアを支えたり描いたりするために必要な知識をもって、相談・情報提供・アドバイスに取り組みます。

ということです。弊社でも転職や企業内のサービスに関わることもあるでしょう。しかし、Ｈ．Ｒ．Ｃｏ－ｏｐはあくまで、あなたのために、あなたの利益のために、キャリアコンサルティングサービスを提供します。

　では、「あなたのキャリアを支えたり描いたりするために必要な知識」とはどのようなものなのか？そこを次のブログでお話をさせていただこうかと思います。

　お電話や、メールなどでのお問い合わせも、お待ちしています。

　Twitter、Facebook、Instagram、LINEなどでも情報発信しています。ぜひ多くの皆さんとつながっていくことで、誠実で公正で、より充実した情報交流ができれば、そのような情報交流の場が拡がれば、より皆さんのお役に立てると思い、弊社としても幸いです。

　ぜひフォロー、リツイート、いいね、お気に入りなど、よろしくお願いします！

　今後とも、お付き合いいただきますよう、よろしくお願い致します。

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